1週間ほど前,新聞の広告費が減ってきたというブログを書きましたが,新聞に限らずテレビ,雑誌,ラジオの広告費もここ5年間では確実に減少しています.その反面,インターネットの広告費は右肩上がりで,今や最も効率のよい広告メディアとされています.広告はおもに3者間の利益循環から成り立っているということができます.すなわち,広告主,広告場所提供者,広告閲覧者です.広告主は広告による商品やサービスの消費者への認知と購買を期待し,広告場所提供者は広告場所というインフラを広告主に提供することで収入を得,広告閲覧者は何かのついでに広告が目に入ることによって労力を使わなくとも情報が入って来ます.広告場所というインフラは一般的にメディアということになっていますが,何もメディアにこだわらなくてもよいと思います.多くの人が注目する場所であれば,何でもビジネスにすればよいのです.
一つの提案ですが,大学の教室に広告を出すことで,大学が収入を得るというビジネスはどうでしょうか?授業中,学生は教員の方を向いているわけですので,教室の黒板側に電子的な広告を出すのです.理工系学部ではコンピュータ画面をスクリーンや大型ディスプレイに映して講義をする教員が多いので,そのスクリーンや大型ディスプレイを広告に利用すれば一石二鳥です.間違いなく学生はそれらの広告に目が行くでしょう.大学側が,「そんなことをしたら勉強に身が入らない」,などと言うのであれば,それは明らかに大学の授業がどういうものかわかっていない発言です.1コマ90分の授業を最初から最後まで集中して聞いていられる学生などほとんどいません.また,広告もいくつかの種類に限定してサイクリックに表示すれば,その段階で広告を見るのをやめてしまうはずです.むしろ,ちょっとした息抜きになる映像が何気なく視界に飛び込んでくることで,それを見終えた後は逆に集中力がアップするものです.さらに,そのような広告場所を提供することで大学の収入源にもつながりますし,その収入を利用して学生へのサービスを充実させることもできます.企業も大学に特化した広告を出せるということで,新たな戦略的営業が可能になります.学業を行う場だから広告はふさわしくない,というような時代はとっくの昔に終わっています.
少子化が進む中,大学経営も決して楽ではない時代です.だからこそ,これまでの古い慣習や根拠のあいまいなタブーにも踏み込み,新しい大学のスタイルを築き上げるべきでしょう.教育の場にビジネスが入るのを拒むのは変です.学校だってビジネスですから.実際,コンピュータルームに製造会社の名前が入ったパソコンやプリンタが置いてあるだけでも,無償で広告場所を提供しているのと何ら変わりません.それなら,初めからビジネス目的で広告場所を提供し,「この広告収入で学生へのサービスが賄われています」,ときちんと提示することで納得を得る方が有効ではないでしょうか?大学によっては,ホームページに掲載する広告を募集しているところもあります.ホームページ上に広告があってもよいなら,大学の教室やいたるところにあるディスプレイに広告があってもよいでしょう.
0 件のコメント:
コメントを投稿