「新30年ビジョン」,なんと素晴らしい言葉でしょう.最近では経済的に明るい話がほとんど出て来ませんが,30年後の2040年のビジョンについて語るとは.これを語ると言うことは,もちろん明るい話題であるはずです.
2010年6月25日,ソフトバンクの孫正義社長が1981年の会社設立から30年にあたるまさに今,これから30年後という長期的ビジョンを発表しました.「やるな~!」と思うのは,30年後に会社を時価総額200兆円規模にするということです.30年後の経済なんてどうなっているかもわかりませんが,このようなギョッとするような発言をするとは,さすがにのりにのっている会社の社長です.たとえ不可能だとしても,このようなスカッとするようなことを言ってもらえると明るい未来を感じます.この新30年ビジョンに含まれるもう一つの目玉は,現在800社という戦略パートナー企業数を5000社に増やしたい,といったことです.戦略パートナー企業5000社というと,規模的には世界有数,もっというと,世界で誰もが知っているような大企業です.孫社長曰く,世界でトップ10に入る企業を目指すそうです.
孫社長は現在52歳で,30年後は82歳です.そうなるととてもじゃないですが,第一線の経営者であるはずがありません.「なんと無責任な発言?」とも思えましたが,そこはさすがの孫社長,ちゃんと考えていました.来月から後継者養成のための「ソフトバンクアカデミア」という学校を開校するそうで,自ら週1回の指導にあたるということです.これだけ世間を湧かせている社長が忙しくない訳がありません.その社長が週1回のペースで,後継者養成学校にて指導をするというのはかなり本気です.本当に凄い人は,重要なことを部下には任せず,自分から現場に出向いて哲学を伝授するのですね.
ふと思ったのですが,「ビジョン」という言葉はとても有効な言葉ではないでしょうか?それ自体夢を感じますし,また,実現できなかったからといって非難されるようなものでもありません.なぜなら,”vision”という英語の意味は,「見通し,展墓,空想,幻」などであるからです.政党が掲げる「マニフェスト」なるものも,衆議院議員の任期に合わせて「4年ビジョン」とでも言っておけば,あまり叩かれなくてすむのではないかと思いました.
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