2010年5月12日水曜日

クラウドコンピューティングの連携

昨日のブログのタイトルは,「せつないクラウドコンピューティング」でした.読み直してみるとクラウドコンピューティングに対してネガティブな表現で終わっていましたので,もう少し明るい話をしたいと思います.それはクラウドコンピューティングの連携です.

クラウドコンピューティングのサービス形態は大きく分けて,IaaS,PaaS,SaaSの3つに分類されることを(昨日のブログ)述べました.現在,それぞれのサービスを,アマゾン,マイクロソフト,グーグルなどが得意分野を中心として提供しています.しかし,よく考えるとクラウドサービス間のサービス利用も可能なはずです.例えば,アマゾンが提供するIaaSのハードウェア資源にマイクロソフトが提供するPaaSによってオペレーティングシステムを導入し,さらに,その環境でグーグルが提供するSaaSによってWebアプリケーションを利用するということも考えられます.もし,このような形態を実現した場合はクラウドの3層構造ということになります.さらに,その各層はいくつかのクラウドを連携して構成するということもあり得ます.つまり,小さなIaaSをいくつか集めて比較的大きなIaaSを提供しても良いわけです.このような形態が既に実施されているかもしれません.クラウドなので実際にはわかりませんが.

クラウド連携を行った場合,あるクラウドが持っていない資源を他から借りてきて提供することも可能になります.クラウド間の資源の貸し借りはお互いさまなので無料にできれば良いですが,クラウドによって規模や経営戦略が異なるのでら,値段交渉をすることになるのでしょう.

クラウドがいくつも連携することでネットワーク遅延によるパフォーマンスの劣化が懸念されますが,そのような問題はいずれ技術が解決するでしょう.それよりも,どのクラウド・サービスプロバイダと契約してもユーザはあらゆるサービスを受けられるので,プロバイダを比較選別するという煩わしさがなくなります.ユーザがプロバイダを選択する場合,わかりにくい料金プランや規約に騙されそうになったりしますが,そのようなサービスの違いでユーザを相手に商売をするのではなく,クラウド間の資源の貸し借りという業者間の商売に徹してもらうと,個人的には助かります.

近い将来,テレビも単なるディスプレイ端末となり,クラウドサービスに加入することでシャープのAQUOSになったり,ソニーのBRAVIAになったりするかもしれません.そうなると,メーカーはハードウェアを製造しますがユーザから見るとソフトウェアサービス会社に見えることでしょう.

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