「東京駅なう!」,などとネット上にメッセージを投じるTwitter(ツイッター).これは,インターネット上で140文字以内の「つぶやき」を不特定多数のユーザにリアルタイムで配信し,また,自分で選択(フォロー)した人のつぶやきを受信するサービスです.つぶやきと同時に写真などもアップロードすることができるため,受信者はWebコンテンツと変わらない情報を取得することができます.Twitterは,現在,全世界で1億以上のユーザが利用しており,その数は毎日増える一方です.
Twitterの特徴はリアルタイム性です.ユーザのつぶやきは即座にネット上に配信されるため,生の情報を得ることができます.2009年1月にニューヨークのハドソン川に旅客機が不時着したという事故がありましたが,この事故の第一報はiPhoneからTwitterに書き込まれた写真付きのつぶやきでした.テレビによる報道よりも早かったのです.この事実は,Twitterというコミュニケーション・ツールがテレビやラジオといった速報性のあるメディアに取って代わる瞬間を意味していたのかもしれません.
リアルタイム性の他にTwitterの特徴として強調すべきことは,メッセージが直接相手に届けることができる点です.例えば,一国民が総理大臣や閣僚,さらには,大会社の社長に直接メッセージを届けることも可能です.しかるべき権力のある人に直接メッセージを届けることができる場合は,問題を即座に対処してもらえる可能性が高いのです.昨日のTwitterでつぶやきを見ていると,iPadを予約しようとしていた人がソフトバンクモバイルからクレジットカードがないと契約できないと言われ,Twitterで孫社長に向けて何とかしてほしいとつぶやいたところ,孫社長はシステム変更に数日必要ではあるが現金一括でも買えるようにすると返信しました.瞬時に社長決裁が下りて問題の解決が可能となったのです.もし,本件,カスタマーサービスへ話をした場合どうなったでしょうか?おそらく,孫社長にそのメッセージが伝わるまで何日もかかったに違いありません.それどころか,社長までメッセージが届かないといった状況になる可能性も否定できません.
上記,孫社長のメッセージは世界中のTwitterユーザにも届いたのです.すなわち,孫社長は現金一括でもiPadの購入を可能にすると宣言したことに他なりません.そう考えると,Twitterは単なるコミュニケーション・ツールという域を超え,テレビ,ラジオ,そして,新聞と同様,既に報道としての社会インフラになっているということができます.このようなインフラの登場は一般の人々にとっては強い味方になってくれます.当局による理不尽な介入や盗聴,さらには,つぶやきに関する社会的責任の押しつけなど,面倒な問題になってほしくないですね.そっとしておいてもらえればと.
参考資料:
津田大介, "Twitter社会論-新たなリアルタイム・ウェヴの潮流", 洋泉社.
2010年5月10日月曜日
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