2010年5月21日金曜日

ひとにやさしいスマートフォン

iPhone,アンドロイド携帯,Windows Phoneなど,昨年から今年にかけてスマートフォンの利用者が爆発的に増加しています.スマートフォンは頭のいい携帯電話,すなわち,高機能携帯電話と言い換えてもよいと思います.ルーツは,PDA(Personal Digital Assistant)であり,それを発展させて携帯電話になったものと考えられますが,ポケベルの発展系とも思えるタイプもあります.実際に使ってみると,日常生活において使うレベルでは,パソコンでできることはほぼすべてできますし,携帯性や操作性を考えるとパソコン以上の利便性も備えています.スクリーンサイズも通常の携帯電話と比べるとかなり大きくなっています.しかしながら,問題点も多く存在していますので,それについて見ていきましょう.

スマートフォンの問題点として,消費電力が大きいという点が挙げられます.無線LANやBluetoothなどの無線通信機能を使っていると,半日も経たないうちに再充電しなければならないほどです.さらに,端末価格も大変高いです.人気モデルはノートパソコンの価格よりも高いことがほとんどです.加えて,文字入力がしにくいというのも問題点です.最近では手書き入力や音声入力も実装されるようになりましたが,それらの認識率は実用に耐えるレベルではないと感じます.

上記のようなスマートフォンの問題点はメディアでよく取り上げられますが,別の観点から見た問題点もあります.それは,スマートフォン中毒です.Twitterを含むSNSサービス,ブログなど,スマートフォンを用いて閲覧および書き込みが用意にできるようになりましたので,暇さえあればそれらにアクセスするようになり,特に若者を中心に四六時中スマートフォンをいじっていないと不安に感じる人も増えています.また,自分宛てのメッセージを受け取ると,すぐに返信しないといけないという感覚を持つようになり,就寝中もメッセージの着信バイブレーションで目が覚め,寝不足のために日中の集中力がなくなることも少なくありません.スクリーンも大きくなったとはいえ,パソコンと比べるとはるかに小さく,長時間使用には向いていないために頭痛,視力の低下,肩こりなどを引き起こすという問題も発生しています.

このように,便利であるが故に利用者が増え,そのため競争が起こってさらなる新機能の充実が行われ,ますますスマートフォンに対する中毒者が増えてしまいそうです.ビジネスという観点では売れる機能を充実させるのは当然かもしれません.しかし,健康を害せず,何気なく日常生活の助けとなるような,「ひとにやさしい携帯電話」こそが,真のスマートフォンなのではないでしょうか?

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