昨日,「ネット選挙解禁与野党合意!」という記事があちこちで見られました.そんなことがいきなり実現するのかと目を疑い,かつ,興味深々に記事の内容を見ると,「何それ?」です.「ネット選挙解禁」と聞けば,誰だってインターネット経由で選挙投票ができることを想像するはずです.参議院選挙を間近に控えたこんな時期に,インフラも整っていないのにどうやってやるのか不思議でした.しかし,やはり期待は裏切られました.単にネット選挙運動解禁ということでした.しかも,とんでもない条件付きです.既にニュースを見た方もいるとは思いますが,少し中身を見てみたいと思います.
今回のネット選挙運動解禁のおもなポイントは,選挙期間中に政党と候補者のホームページやブログの更新を許可することです.しかし,電子メールの利用は見送られます.さらに,ミニブログともいわれるTwitterに関しては自粛ということで折り合いをつけたそうです.選挙期間中でも世の中は待ってくれません.時々刻々問題は起こり,即座に対処しなければならないこともどんどん出て来ます.それに対する,政党や候補者の考え方,対策等の発言を即座にできないというのは,果たして有権者のことを考えた選挙と言えるのでしょうか?1日,2日待ってもよい内容であればホームページやブログの更新程度でもよいでしょう.しかし,緊急事態への対応の速さが要求される政治家は,こういう時の迅速な判断・対応を評価されるべきで,Twitterや電子メールの活用は極めて妥当なもののはずです.正直,この対応は理解に苦しみます.
もうひとつよくわからないのは,Twitterの「自粛」です.自粛というのは禁止ではなく,また,どの程度までを自粛と呼ぶのか不明確です.政治家自身の発言に不明確な表現を用いること自体問題ですね.妥協案のつもりでこのような表現を用いたのかもしれませんが,妥協することと,あいまいな表現を用いることは違います.近々,具体的な運用方針を作成するということですが,どのような文章が出てくるのか目が離せません.新しいことに対して保守的になり過ぎるより,まずは実行してみて問題があれば改善する,というスタンスをとって欲しいものです.
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