2010年6月1日火曜日

21世紀はこんなはずじゃなかった

決して今の世の中を悲観しているわけではありません.私が小学生の頃に思い描いていた21世紀の世界をふと思い出したので,それについてお話したいと思います.

今から30年以上前になります.当時はスーパーカー・ブームというのがあり,フェラーリ,ランボルギーニ,ポルシェなど,ヨーロッパのスポーツカーを中心とする車の展示会があちこちで開催されていました.また,何気なく喫茶店の前に何千万円もする車が,いかにも「かっこいいだろ!」,とでも主張しているかのごとく,ドーンと駐車していることもあり,すかさずカメラを取りに家まで急いで帰ったものです.おそらくその時代は,所有する車の値段で富裕度を表す風潮があったのでしょう.交通手段として飛行機もありましたが,一般の人が乗る機会はほとんどなく,空を飛ぶこと自体夢のような世界でした.

そのような時代に21世紀の世の中を予想して描かれた絵がいくつかあり,それらには共通点がありました.それは,透明なチューブでできた道(のようなもの)が空中に何本も浮いており,その中を車のような乗り物が滑り台のように滑りながら動いている光景です.なぜ,このようなイメージが出来上がったのかはわかりませんが,空を飛ぶ飛行機が個人レベルで持つことができるようになり,空中を自由に行き来できるような乗り物が未来の交通手段になっていたのです.まさにSF映画の世界ですね.面白いのは,ジェットエンジンを搭載した小型飛行機ではなく,実際には空を飛ばないチューブの中を走る車のようなものです.おそらく,当時でも個人レベルで空中を自由に飛びまわれる乗り物は,さすがに無理だと考えていたのでしょう.

実際にそれから年月が経ち10年ほど前に21世紀を迎えました.しかしながら,車,自転車,高速道路,デパート,高層ビルディング,新幹線など,私が小学生の時に過ごした街並みとほとんど変わっていません.当時,携帯電話はありませんでしたが,子供はトランシーバを持ち歩いて無線ごっこをしていましたし,つい最近までよく目にしたタクシー無線などもそのままの状態でした.そう考えると,30年程度では世の中の「風景」はあまり変化しないのだなあ,と「痛感」しました.

これが,「21世紀はこんなはずじゃなかった」と思った理由です.国際宇宙ステーションが建設されて,21世紀では宇宙飛行士が頻繁に宇宙に行くようになりましたが,よく考えてみると40年以上前には有人月面着陸を成し遂げています.しかし,今では地球の表面にへばり付いたくらいの距離である宇宙ステーションへ行くのが最高の宇宙旅行となっています.普通に考えると,21世紀は人類が火星に到着していてもおかしくないでしょう.

このように考えると,100年後の世の中も今とあまり変わっていないのではないかと感じてしまいます.せめて普通の人々が月で生活できるくらいにはなっていてほしいと思います.私自身がそれを見届けるのは無理だと思いますが.ん!?,もし,無理でなければそれはそれで大きな変化です!

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