日本語は,「あ」,「い」,「う」,「え」,「お」,という5つの母音と,その他の子音の組み合わせによって発音されています.小さい頃から50音表というものを見せられ,それに基づいてひらがなを学んできた私たちは,その表の構成から母音,子音という概念を違和感なく理解し,そして,受け入れてきました.
音声を,マイクロフォンを通して電気信号という形で見ると様々な形の波形で構成されているのがわかります.このような波形を音声スペクトルといいます.母音はその音声スペクトルに面白い特徴があります.例えば,「え」という母音の音声スペクトルは,700Hzあたりと2,200Hzあたりに集中した波形が観測されます.これらの特徴的な周波数をフォルマントとよびます.フォルマントは母音発生時の口の形状によって生成される音声の周波数成分ということができ,母音の種類によってその周波数成分が異なります.逆に言うと,音声スペクトルからフォルマントの周波数成分を観察することによって,どの母音が発生されたかがわかるのです.ちなみに,子音には明確なフォルマントはありません.
フォルマントは周波数の低い順に,第1,第2,・・・,第nフォルマントとよびます.それぞれの母音に対して複数個のフォルマントがあるのが普通です.日本語の母音は上に述べたように5つの種類がありますが,他の言語ではどうなのでしょうか?韓国語を調べてみると,基本母音は10種類あり,さらに,二重母音とよばれるものが11種類ありました.母音は言語によって異なるのです.そう考えると,外国語の発音を習得するのに時間がかかるのも理解できます.ですので,完璧な発音など初めからあまり意識せず,とにかくコミュニケーションできる言葉を発生するということに重点を置いて,外国語を勉強したいものです.
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