2010年6月20日日曜日

気温の定義

天気予報や天気ニュースなどで,その日の最高気温,最低気温が伝えられ,私たちはその値をもとに今日は暑かった,明日も暑いのかあ・・・,などとついつい口走ってしまいます.その「気温」についてですが,もう少し気のきいた伝え方ができないものかと常日頃感じています.

通常,「気温」というと,地上から1.5mほどの高さでファンがついている百葉箱の中の温度計が示す値を表します.しかし,誰がファンのついた百葉箱の中の温度を知りたいのでしょうか?私達が知りたいのは,外出先の温度,例えば,東京駅八重洲口の外や,上野動物園のサルの前など,ある場所での実際の温度です.東京の百葉箱の中の温度が33℃だからといって,東京の気温が33℃と言われても役に立ちません.実際の上野動物園で太陽の直射日光が当たる場所は38℃だったりするわけですから.

統計を取る上で気温の測定条件をいつも一定にするのは結構です.しかし,それらの値を天気予報や天気ニュースで知らせても私達にとっては重要な情報ではないのです.せめて,アスファルトの反射で最も熱くなりそうな代表的な場所の温度などを報告して欲しいものです.

現在,小型化された温度センサや携帯電話に代表される常時利用可能なネットワークがあるのですから,様々な場所の温度をリアルタイムで収集し,インターネット上に配信するのは簡単です.例えば,携帯電話に温度センサを内蔵することなど朝飯前ですし,数十分に1回くらい位置情報と温度・湿度情報を送信してもほとんどコストもかかりませんし,バッテリーの消耗も気にするほどではありません.そのようなデータがすべての携帯電話から集められれば,統計的にかなり良い精度の気象データベースが構築できます.

そのようなユーザ参加型のアプリケーションがもっと増え,あまりケチケチした考え方をせず,みんなのためのみんなの貢献という考え方が浸透すると,豊かなモバイルライフが実現するのではないでしょうか?

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