2010年7月8日木曜日

時差は何のため?

海外の人達と仕事をしているときに気にしなければならないのが時差です.地球の反対側では昼と夜が逆ですからね.しかし,ここでお話したいのは,自分が起きているときには相手は真夜中だから寝ている,というような話ではなく,時刻そのものの問題です.

海外に行った場合,その国の時刻に自分の時計を合わせておかないと大変なことになります.国によって同じ瞬間の時間が異なるのですから.この点がポイントです.何故わざわざ国によって時間を変えなければならないのでしょうか?1つの絶対的な世界時間を用いて,全世界で同じ時計を使えば何の混乱もなくて済みます.全世界が同時に朝だったり夜だったりするわけにはいきませんが,時間は統一された方が便利です.例えば,日本の朝9時はアメリカのロサンゼルスでは前日の17時です.これが混乱の元です.日も時間も全世界で同じにすべきです.

国,会社,さらには,人によって仕事を開始する時間は異なるのが普通なので,仕事を開始する時間を朝9時にするというような建前だけの時間など必要ありません.日本ではたとえ朝だったとしても世界時間では19時で,仕事が始まる時間だとしても何の問題もありません.実際に百夜などがある国では日が完全に沈まなくとも問題なく生活できています.これまでと違うからといっても,何日間かその制度を運用すれば慣れますし,その方が便利だと感じるはずです.実際に同じ瞬間にそれぞれの人が存在しているのに,その日時が場所によって異なるなんて変です.

このように,世界時間を導入すれば海外に行った時の混乱が減ります.旅程表などを見ると,飛行機の出発は日本時間,到着は到着国の時間が記載されています.しかし,もし両国間の時差を知らなければ何時間飛行機に乗っているのかわかりません.世界時間で記述されれば搭乗してから何時間経って行き先に着くのかすぐわかります.これからの社会では海外への行き来が頻繁になっていきます.一刻も早く世界時間を導入して,混乱のない生活を送りたいものです.

朝,仕事を始める時間が19時であっても,全く違和感がない私は異常でしょうか?

2010年7月7日水曜日

ドコモSIMロック解除!

とうとうNTTドコモが宣言しました.SIMロック解除!2010年7月1日のブログに書きましたが,総務省がSIMロック解除に関するガイドラインを発表してから5日目です.2011年4月以降に販売する全ての携帯電話でSIMロック解除を実施するとのことです.

ドコモの勇気には拍手(パチパチ),といきたいところですが,よく考えてみると当然かもしれません.今,iPhoneが大ブームとなっているため,ドコモはソフトバンクモバイルにユーザをとられているというのは否定し難い事実です.しかし,SIMロックが解除されるとソフトバンクユーザもドコモの携帯電話を使えるようになり,人気のあるスマートフォンXperiaなどを買ってくれるかも知れないからです.携帯電話端末のみであればそれなりにいい値段で売れるかもしれません.

一方,同じ3G通信規格であるソフトバンクはどうでしょうか?かなり慎重なようです.というのも,iPhoneやiPadはソフトバンクの武器であり,SIMロックを解除すると,例えばドコモの契約でiPhoneやiPadを使えることとなり,ソフトバンクになだれ込むユーザ数を抑制することになってしまうからです.

SIMロックが解除されたからといって,他社の携帯電話を用いて全てのサービスが問題なく受けられるとは限りません.通話に関しては問題ないと思いますが,端末独自のブラウザや電子メール機能等インターネットアクセスに関わるサービスは機能が制限される可能性があります.しかし,スマートフォンの場合はこれらの制限がほとんどなくなります.スマートフォンは基本的にパソコンと同じような使い方ができる仕様となっていますので,ドコモのユーザがiPhoneを使った場合はほとんどの機能がそのまま使える可能性が高いです.だからこそ,ソフトバンクの見解は慎重なのですね.KDDIの携帯電話は3Gでの通信規格が異なりますので,SIMロックによって受ける恩恵はありませんが,3.9Gの統一規格でサービスが始まる時期になったらSIMロック解除を行う可能性があります.

個人的には端末とサービスは切り離すべきだと思っています.どんなパソコンを買ってもインターネット・サービスプロバイダは自由に選べますからね.全社が端末ではなく,サービスそのもののありかたで勝負するようになって欲しいものです.

2010年7月6日火曜日

プログレスが再ドッキング成功!

2010年7月3日のブログに,ロシアのプログレスが国際宇宙ステーション(ISS: International Space Station)とのドッキングに失敗したと書きましたが,7月5日に再ドッキングに成功しました.最初のドッキングで失敗した原因は,自動ランデブーシステムと手動ドッキングシステムの干渉問題とのことです.再ドッキングでは,手動ドッキングシステムを停止した状態で自動ランデブーシステムによる自動ドッキングを行い成功したそうです.具体的なシステムについてはよくわかりませんが,ランデブーというのは接近を意味するので自動ランデブーシステムとは自動でプログレスをISSに接近させるシステムなのでしょう.

今回の再ドッキングの際,はじめはプログレスもISSと3kmほど離れて同じ軌道上にいました.同じ軌道上ということは,約90分で地球の周りを1周するという超高速で動いていたわけです.そんなスピードで動いているISSに再び近寄り,ドッキングをするというのは神業のように思えます.しかし,ISSからみるとプログレスはゆっくり近づいてきたように見えるはずです.その感覚が私達には体験できない不思議なものですね.宇宙空間は風も吹いていないので,超高速で動いていてもお互いゆっくりゆっくり接近してドッキングするように感じるのでしょう.

映画の世界のようですが,ふつうの人々もこのような体験ができるようになるのはそう遠くない未来だと思います.早く飛行機に乗るような価格で宇宙旅行ができるようになって欲しいものです.

2010年7月5日月曜日

ノンアルコールビールはドル箱

2010年7月4日の朝日新聞朝刊に,ノンアルコールビールが高収益をもたらしているという記事がありました.アルコール度が1%未満であれば酒税がかからないのに,これらは第3のビールとほぼ同じ価格で店頭販売されています.いくら開発費がかかったとはいえ,原料費や製造法は従来のビールまたは第3のビールとそれほど変わらないはずです.さらに,これだけ売れているのであればその投資額は十分回収できているのではと思います.350mlの料金で考えると,28円分の酒税がないためそれくらいの価格低下があってもよいはずです.やはり,消費者はいいカモになっているのですね.

では,どうして割高であるとわかっているノンアルコールビールが売れているのでしょうか?消費者心理に帰するところが多いと思いますが,まずは飲んでも車の運転ができるということでしょう.しかし,そうまでしてビールの雰囲気を味わいたい消費者が多いのかどうかは疑問です.実際に飲んでみるとかなり味が違うので,物足りなく感じて普通のビールが飲みたくなり,ますますストレスが溜まります.これでは何のために飲むのかわかりません.また,アルコール度がほとんど0に近いということで健康にいいのではと勘違いしている人もいるかもしれません.確かにアルコール自体が体に及ぼす影響は低減するかもしれませんが,ノンアルコールビールといえども原材料はビールとほぼ同じであり,成分からみた健康への影響はそれほど変わるとは思えません.さらに,酒は飲めないが付き合いで飲むというケースがあるかとも考えたのですが,そのような人はたとえアルコールが入っていなくともノンアルコールビールを飲むことはほとんどなく,ソフトドリンクを飲むはずです.

このように考えると,何故ノンアルコールビールが売れているのかわかりません.やはり消費者は勘違いしてだまされているだけなのでしょうか?だとすれば完全にビール会社のドル箱戦略にはまっていますね.酒税による価格上昇を抑え,安さで売るために開発した技術はとても素晴らしいものです.しかし,蓋を開けてみると価格は下がらず,しかも,消費者はそれでも買い続けるという皮肉な現実です.似たような商品であれば同じ値段で売ってしまおうという罠にはまるのだけは避けたいものです.自動販売機で缶ジュースやペットボトルの飲み物を買う時も同様です.原価が異なるはずの飲み物が,同じ量で同じ値段で売られていることがあります.商品によって値段を変えている販売機もありますが,多くの場合同じ値段がつけられているように思います.その値段が自分にとって価値のあるものというわけでもないのに,ついつい買ってしまうという消費者心理をうまく利用した商売です.一律価格で販売する100円ショップの場合は,100円の価値がない物もありますが,100円以上の価値があるものもありますので消費者の満足感は高いです.しかし,単品で明らかに高いものを買わされているにもかかわらず,満足感がはっきりと現れない場合は,企業の戦略にはどっぷりはまっていることになってしまいます.気をつけたいものですね.

2010年7月4日日曜日

電子書籍配信事業

電子書籍が注目を浴びていますが,2010年7月1日に電子書籍配信事業準備会社というのが設立されました.この会社は電子書籍配信事業がどうあるべきかを検討する企画会社ということで,ソニー,凸版印刷,KDDI,朝日新聞社の共同企画会社です.しかし,電子書籍がどうあるべきかという検討をするため,というよりは書籍というメディアでどうやって生き残るかという点から協力したように思われます.ソニーは電子書籍リーダーを販売していますが,iPadやKindleに比べるとその勢いは比較にならないほど弱く,凸版印刷もインターネットにコンテンツを奪われ,紙媒体のビジネスは厳しくなっています.また,KDDIはソフトバンクやNTTドコモに比べるとスマートフォンの導入や携帯書籍など魅力あるサービスという点で劣っていますし,朝日新聞社は広告収入と購読者の激減によって厳しい経営状態です.そう考えると,活字ビジネスにおいてこれら4社すべてが苦しい状態から抜け出そうと,苦肉の策で作りだした会社に思えて仕方ありません.

もっと広い意味での電子書籍ビジネスの検討,例えば,日本においてどのように各社システムを連携してコストを下げることが可能か,また,どのように他社のコンテンツもユーザにシームレスに販売できるかなど,最終的にユーザが恩恵を受けるような電子書籍配信事業となることを議論してくれるなら大変結構なことです.間違っても,業績不振分野の企業が傷を舐め合って結託し,独占価格などが設定されるようであってはなりません.

しかしながら,今回設立された会社が各業界から1社ずつ参加しているとう状況から察すると,上に述べたような電子書籍配信事業のためのコンソーシアム的存在ではなさそうです.そうなると,同じような会社が他企業によって連立し,結果的にいくつかの販売方法が共存するようなとんでもない事態にならないとも限りません.コンテンツを販売経路によって独占されて困るのはユーザです.そのようなビジネスをする時代ではもうありません.この会社,そして,同業者で同じような状況にある企業には,その点を踏まえて電子書籍配信事業を活性化させて頂きたいと思います.さらにもう1点,日本の会社だけでなく,海外の会社も交えて世界中の書籍を低価格かつ簡単に購入できるようにもして欲しいものです.