2010年6月6日日曜日

勉強と研究の違い

「研究が好きだ」という人は多いですが,「勉強が好きだ」と他人の前で堂々と言える人は少ないのではないでしょうか?おそらく,「勉強」というと学校で習う科目をイメージして,それが好きだと言うとガリ勉と思われるのではないか,自分の評判を落とすのではないかと考え,恐れて口に出せなくなるのでしょう.では,勉強と研究との違いは何でしょうか?

「卒業研究で今何やっているの?」と聞かれて,「プログラミングの勉強をしている」と答える人は勘違いしています.研究とは,未知のことを解明するためにアイデアを練ったり,新しい発見や発明のため思考することであると言えます.一方,勉強とは知識の習得ですので,既に存在しているが自分が知らないことを学ぶことです.したがって,プログラミングができるように勉強するのは研究ではなく,既に存在していることを自分の知識として学んでいることです.

日本の学校教育では,勉強する=学校のテストの点をよくする=よい進学,というような方程式が出来上がっていて,学校の成績が良くなるような行為を勉強と捉えてしまいます.ここが問題です.しかし,社会に出てみると,対人関係が勉強になったとか,人生が勉強だとか,経験そのものを勉強と考えるようになります.経験もそれまで知らなかったことを体験することで得る知識ですので,まさしく勉強です.そう考えると,勉強が好きであると口にするのは素晴らしいことです.しかし,「いろいろな経験が役に立つ」とか,「いい経験をした」と言うことはあっても,「経験が好きです」とは言わないところが面白いですね.

研究とは,ある目標に向かって自主的,積極的に働きかけて行う行為であるのに対して,勉強は受動的にやったりやらされたり,いつの間にかやっていたり,もちろん,積極的に行う場合もあり,幅が広い行為(現象?)です.それゆえ,「人生は勉強」という言葉があるのでしょう.「人生が研究」というと,なんだか恐いですね.

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